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人事労務コラム Column

2025.11.15

法改正情報

【2025年10月から被扶養者要件が変わります!】19歳以上23歳未満の健康保険被扶養者の収入要件の変更について

ヒューマンテック経営研究所 所長 藤原伸吾(特定社会保険労務士)

健康保険における被扶養者の認定について、2025年7月4日付で19歳以上23歳未満の収入要件の変更にかかる通達(令7.7.4保発0704第1/年管発0704第1および令7.7.4保発0704第2)が発出されました。また、これとあわせて、通達に関する実務的な取扱いについてまとめたQ&A(19歳以上23歳未満の被扶養者に係る認定に関するQ&Aについて)も発出されました。今回はこの通達とQ&Aをもとに、19歳以上23歳未満の収入要件の変更のポイントについて解説します。

1.健康保険における「被扶養者」の要件

健康保険では、加入している被保険者本人だけでなく、被保険者に生計を維持されている一定範囲の家族についても「被扶養者」として保険給付が行われます。ここでいう被扶養者の原則的な要件は以下のとおりです。

被扶養者の要件

被扶養者の3親等内の親族であること
主として被保険者の収入によって生活が維持されていること
被扶養者の収入が(a)、(b)いずれの要件も満たしていること
(a) 以下の年間収入の要件を満たすこと
60歳未満 130万円未満
60歳以上または障害厚生年金の受給要件を満たす障害者 180万円未満
(b) 被保険者と同居している場合は被保険者の年間収入の1/2未満であること、別居している場合は、被保険者からの援助(仕送り等)による収入額より少ないこと

 

このように、60歳未満の被扶養者の収入要件は、一律130万円未満とされてきましたが、今回の変更では、19歳以上23歳未満の被扶養者に限って、この金額が引き上げられました。具体的な内容は次のとおりです。

2.19歳以上23歳未満の収入要件の変更について

今回の変更の対象となる19歳以上23歳未満の被扶養者については、2025年度税制改正において特定扶養控除要件の見直しおよび特定親族特別控除の創設が行われたことを踏まえ、収入要件を下記のとおり変更することとされました。

対象となる被扶養者

19歳以上23歳未満の被扶養者(被保険者の配偶者を除く)

※学生であることは問われない。

変更となる収入要件

130万円未満 → 150万円未満

適用年月日

2025年10月1日

 

3.Q&Aの内容について

今回の収入要件の変更にかかる実務的な取扱いについては、前掲のQ&Aで具体的に示されています。ここからはQ&Aのうち、とくに実務上のポイントとなる内容について見ていきます。なお、Q&Aの内容は、要約するなど一部編集しています。

(1)年齢要件の判定について

【Q4】

Q. 年齢要件(19歳以上23歳未満)についてはいつの時点で判定するのか。
A.  所得税法上の取扱いと同様、その年(扶養認定日が属する年)の12月31日現在の年齢で判定する。

解説

たとえば、N年10月に19歳の誕生日を迎える場合には、N年(暦年=1月1日から12月31日)における年間収入要件は150万円未満となります。

<参考>

・N-1年(18歳の誕生日を迎える年)の年間収入要件は130万円未満
・N年~N+3年の間(19歳の誕生日を迎える年から22歳の誕生日を迎える年)の年間収入要件は150万円未満
・N+4年(23歳の誕生日を迎える年)以降、60 歳に達するまでの年間収入要件は130万円未満

 

(2)年間収入の判定について

【Q5】

Q. 年間収入が150万円未満かどうかの判定については、所得税法上の取扱いと同様に、過去1年間の収入で判定することとなるのか。
A. 年間収入が150万円未満かどうかの判定は従来と同様の年間収入の考え方により判定することとなる。

解説

具体的には、認定対象者の過去の収入、現時点の収入または将来の収入の見込みなどから、今後1年間の収入を見込むこととなります。

(3)扶養認定日の遡及について

【Q8】

Q. 2025年10月1日以降の届出で、2025年10月1日より前に遡って認定する場合の19歳以上23歳未満の被扶養者の認定対象者の年間収入の要件は130万円未満ということでよいか。
A. そのとおり。

解説

上記のとおり、2025年10月1日以降に届け出た場合であっても、同年9月30日以前に認定日が遡る場合はその期間については従前の要件(130万円未満)が適用されることとなります。

4.おわりに

今回は、通達とQ&Aを通して、19歳以上23歳未満の健康保険被扶養者の収入要件の変更内容について見てきました。年間収入が130万円を超える場合であっても、年齢によっては被扶養者として認められることとなったため、変更内容について確実に把握しておくことが肝要です。

以上


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